ヒマラヤ稲葉学校と手をつなぐ会会報 第2号 2000年11月27日 発行

事務局:〒900-0022 沖縄県那覇市樋川1-16-38 TEL098-854-3335
 会員の皆様、ご無沙汰しております。昨年10月の総会 から1年がたちました。総会では、作家の星川淳さんから、自然と共生するアメリカ大陸の先住者の人々の生き方や、その人たちがアジア人である私たちとも深いつながりがあることなど、これからの私たちの行方を示唆する大変興味深い話をお聞きしました。
 今年1月に、インドのガンジス河の上流のダム建設現場に行ってきました。ガンジス河は、ヒンズー教徒にとってガンガ女神の聖なる河としてあがめられてきました。 ヒマラヤ山脈の中の標高5000メートルのところにある氷河が源流で、そこから氷がとけて、バギラティ河となって、急峻な谷川を滑り降り、ハリドワールという町で平野部にはいるのです。途中にリシケシという聖都があり、また中流のベナレスでも下流のカルカッタでも、敬虔なヒンズー教徒が、身を清めるために沐浴をしています。そのような河の上流をせき止めて、発電用のダムを作っているのです。 1989年にゴルバチョフが援助を申し出たのがダム建設のきっかけになり、途中でソ連が崩壊してからは、日本政府も援助資金を出しています。 この河は、信徒にとっては沐洛だけでなく、死後は遺体を灰にしてこの河に流し、輪廻転生のよき来世への生まれ変わりを願う聖なる河なのです。私は何度もハリドワールやリシケシに行 き、河に身をひたしてみました。雪解け水でにごっているように見える水の中の、清澄な、 皮膚から大自然の恩恵がしみ入ってくるような感じに
本当に術撃をうけたことを思い出します。 いったんダムに貯められた水は、本来のカを失うでしょう。大自然の恩恵をそのまま受けようと思うなら絶対に人工的な構築物は作ってはならないと思います。またダムによって、広範囲のヒマラヤの樹木が湖底に沈みます。 そして、多くの人が住む村々も水没して、人々は困窮します。ヒマラヤの樹木の伐採を、樹に抱きついて阻止する運動の指導者であるバフグナ老人と一緒に、ダム建設現場に行き、彼が身を呈して建設を阻止するために住んでいる工事現場に立てられた小屋に泊まってきました。  近代化、工業化の掛け声のもとに、大自然を破壊してはならない、信仰者にとっての聖地を踏みにじってはならないのです。人は長い目でみて、自然と共生しなければ生きてはいけない存在なのですから。
コイララ首相と稲葉耶李さん
                                          
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